
「ヤッホー」しか言わない金沢のお茶漬け店「志な野」、閉店前に行ってきました!
金沢では知る人ぞ知る、注文がすべて「ヤッホー」の一言で完結するお茶漬けの名店「志な野」。
金沢で40年間愛され続けた同店が、2020年10月24日をもって閉店するとのこと!
これは行かなければ!と旅音スタッフ3人、行ってきましたよ!
目次
22時前に並んで2時間待ち
片町スクランブル交差点から徒歩5分。
酔っ払いが千鳥足で歩き、どこからともなく昭和のアイドルソングを歌うカラオケの声が聞こえる、ディープな片町の一角にたたずんでいます。
旅音スタッフ北川・窪田・川辺の3名、こちらに着いたのは22時少し前。
この時点で行列はこの状態です。
店先の貼り紙には「夜9時から営業しています」とあるので、おそらく開店後1時間くらいだったのでしょう。
「でしょう」というのは、このお店は日によって開く時間が違ったり、定休日でなくても開いてなかったりするよ…との不安な情報を、学生時代を金沢で過ごしたスタッフ川辺から仕入れていたためです。
※3名のうち北川・窪田は今回初「志な野」です。
さすがに閉店まであと1週間ともなると、臨時休業ではなかったですね。
すでに別の店で2杯ほど引っかけてきた我々、とりとめもない会話をしつつ順番を待ちます。
進み具合はディズニーランドぐらい。
2時間が経とうかという頃、おもむろに店の奥さんが出てきて外の看板の電気を消していました。
「これ以降に並ばれても、お茶漬けが足りないから」ということでしょう。
その頃には店の前あたりまで進むことができた我々、本当に「ヤッホー」が飛び交っているのか耳を澄ませます。
「あんまり聞こえなくない??」と少し不安になる我々。
※ご存知の方が多いと思いますが、このお店で出てくるのはお茶漬け一択。
そのため、注文もおかわりもすべて「ヤッホー」と言う、という暗黙のルールがあるのです。
しかし実際に入るまで半信半疑でした。
いざ!ヤッホー
22時前から並び始め、席に着いたのは深夜0時15分ごろ。
席に着くと、カウンターの向こうで奥さんがせっせとお皿を洗ったりお茶漬けを用意したりしています。
ここで第一の疑問を持つ我々…
「最初の一杯をいただくためにはヤッホーと言うべきなのか?」
1分ほど奥さんが無言で動き続ける時間が続きますが、
それが他のお客さんのお茶漬けを用意しているのか、
はたまた我々のお茶漬けを用意してくれているのか、
判断しかねておろおろし始める我々旅音スタッフ。
ヤッホー以外の言葉を発してもいいのか…と
こっそり隣のお客さんに聞こうとしたちょうどそのとき、
「はいヤッホー!」とごはん茶碗が差し出されました!
そして続けざまに「具ヤッホー!」と具の乗ったお皿が。
(野沢菜、しらす、ちりめん山椒、鮭、焼き明太子、わかめ、昆布、梅、わさび)
「おおお本当にヤッホーだ…!」とこっそり感動していると、
出汁の並々入った大きな急須も「はい、だしヤッホー」と差し出され
お茶漬けの準備が整いました。
有無を言わさぬ雰囲気に圧倒され、お茶漬けをすすり始める我々。
よろしければその様子をこちらでお楽しみください。
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※無言でお茶漬けをすするだけの動画です。
本当に、いわゆる「お茶漬け」なのですが美味しくて…!
思わず1杯目をするすると流し込み、もはやいつのまにか抵抗もなくなって
空になったお茶碗を差し出し「ヤッホー」が口を突いて出てきます。
ほんの数分間で、最初の戸惑いが嘘のように「ヤッホー」に染まってしまう
不思議な空間…
お腹がいっぱいになったのと、後ろにたくさん人が並んでいたので
我々は2杯でごちそうさまとすることに。
※ちなみに何杯おかわりしても料金は同じで、通は具の種類の分だけおかわりをするのが常識という噂も聞きました。
最大おかわり記録がカウンターに貼ってあり、確か34杯だったような…
お会計はなんて声をかければいいのだろう…と一瞬迷った気もしますが、
親父さんが「終わった人、1人780円ね!」と声をかけてくれるので
スムーズにお会計の流れへ進むことができました(笑)
カウンターごしに現金で代金を渡します。
親父さんや奥さん、(知り合い同士でもない)客の間でなぜか一体感の芽生える
不思議でおいしい時間でした。
「ごちそうさま!」「お疲れさまでした」と、去り際に声をかけていく客に、
おそらくいろんな意味を込めて「ヤッホー!」と返す奥さんに心が温まります。
10月24日が閉店日ですが、日曜と月曜は定休日との情報もありますので
別れを惜しんで最後にもう一度行く予定の方はお気をつけ下さいね!
店名 | 志な野 |
住所 | 石川県金沢市片町1-10-10 |
アクセス | バス停「片町」から徒歩5分 |
営業時間 | 21:00~24:00 ※金・土は~25:00 |